―――みなさんこんにちは。今回は、アンセル・アダムスの代表作『Yosemite and the Range of Light』を取り上げます。解説はJINさんです。よろしくお願いします。
「よろしくおねがいします。」
―――今回は、今までの人物とは違うジャンルになりますね。
「そうですね。でもそれも単に流れといいますか、たまたま最初に買った写真集が人物モノだっただけです。第1回でもお話した通り、その時本当はアンセル・アダムスの写真集が欲しかったワケですからね(笑)」
――― では、数あるアンセル・アダムスの写真集の中からこれを選ばれたのは?第1回で買うつもりだったとおっしゃっていた写真集とは違うものですが。
「ぶっちゃけた話、安かったからです(汗)オークションで購入したのですが、2,200円でした」
――― 2,200円!アンセル・アダムスの代表作がその値段ですか!
「ええ、しかも現在では絶版のハードカバー判。これはお得な買い物でした。オークションタイトルが分かりにくいものだったのが幸いしたのかもしれません。オークションは単に検索をかけるだけでなく、シラミつぶしに見て回るのも大切ですね。時間はかかりますが、今回のように検索にはかからない掘り出し物が見つかることもあります」
――― なるほど。では内容の方はどうでしたか。
「そうですね、古い写真集にしては印刷が美しいのはさすがです。イメージも代表作が目白押しで、代表作の一つに数えられるだけのクオリティだと思います。まさにタイトル通り、彼の愛したヨセミテの光があますところなく捉えられています。ハードカバーにこだわらなければまだ新刊で手に入るので風景写真派にはオススメの一冊ですね」
――― これ一冊でオッケーという感じでしょうか。
「いや、それは違うと思います。アンセル・アダムスは多くの出版物を出していますし、他にも代表作はたくさんあります。私は、彼の撮るポートレートも好きなのですが、それはこの写真集には収められていません。彼の主要な撮影地であるヨセミテに限っても他にも良い写真集はあります。今回はオークションという限られた選択枝の中で見つけた逸品という位置付けでしょうか。もしオークションでなく本屋で選ぶとしたら、私は違う写真集を選んでいたかもしれませんよ(笑)そんな写真集との一期一会の出会いもまた楽しいものなんですよね」
――― 写真集との出会いが、その内容とは異なる楽しみを与えてくれるものなんですね。では、最後に他にオススメの写真集があればご紹介いただけますか。
「たくさんあって難しいなぁ(笑)次に私が買いたいアンセル・アダムスの写真集の中から比較的手に入り易いものにしましょうか。厳密には写真集ではありませんが『アンセル・アダムスの作例集(岩崎美術社)』を紹介しておきます。『アンセル・アダムスの写真術(岩崎美術社)』シリーズも良いのですが、その中でまず買うなら『ザ・プリント』ですね。いや、ホントは全巻欲しいんですけど(笑)」
――― 風景写真の第一人者が残した、数多くの写真集。そこからすくい上げられた一冊。『Yosemite and the Range
of Light』、巨匠アンセル・アダムスが見たヨセミテの光。
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