MARCH 26 ,2005

■エスクァイア日本版 デジタル写真賞'04-'05
No.027
[場所] ARTZONE
[期間] 2005年3月25日〜4月7日
[料金] 無料



今回のぞいた展示は、「デジタル写真の名作求む」 をキーワードに雑誌『エスクァイア』が毎年開催しているコンテスト『Esquire Digital Photograph Awards』の2004年度受賞作を展示するというもの。作品テーマは「Art of Living」とのことだよ。

会場に展示された作品は、文章や解説、自己紹介等とともに一枚のパネルにまとめられていて、写真展というよりプレゼンテーションという感じだったね。4つの応募部門それぞれの優秀作品と最優秀作品、他にスポンサーの特別賞もあったよ。

デジタル写真に特化されたコンテストということでちょっと注目していたんだけど、受けた印象は「あいまい」の一点だったね。なにが曖昧かって、先の展示形式もそうだし、画像加工についての応募規定の基準も、作品テーマである「Art of Living 」の意味もそう。結果、賞の選考基準も曖昧にならざるを得ない。せっかく「デジタル写真賞」と名打ってるのだから、「デジタル写真」の定義をもっと縛ってもよかったんじゃないかな。

イメージに目を向けてみると、各部門の受賞作は全て撮影後のデジタル加工が何らかの形で施されていて、「デジタル写真=画像加工」といった感があったね。これは逆説的に、画像加工抜きに「デジタル写真」を提示することの難しさを表していたと言えるかもしれない。

画像加工に関していつも思うのは、“「デジタル写真」ならでは”というものが見られないということだね。在来銀塩写真加工法をデジタルで再現しているだけってことさ、まるでピクトリアリズムが絵画表現の後追いであったようにね。撮影後の画像を加工するのは、なにも「デジタル写真」に限ったことじゃなくて、それまでもアナログな操作で行われていたのだから、画像をPCでそれらしく加工すれば「デジタル写真的アプローチ」なんてのは勘違いもいいところ。「デジタル写真賞」の名が泣こうというものさ。

それに、「デジタル写真賞」なんて言ってるのは今のうちだけかもしれないよ。だって、今「フィルム写真」なんて言わないよね。乾板や湿板写真もあるのにさ。これらをひっくるめて「銀塩写真」ってことになってて、この「銀塩」というのは「デジタル」に対置された使い方をされてるんだから。デジタルが完全に普及すれば単なる「写真賞」になってしまうことは想像に難くないよね。